令和5年6月14日、空家等の活用拡大、管理の確保、特定空家等の除却等に総合的に取り組むことを目的として、「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律」が公布されました。
空家等の活用拡大
市区町村が、空き家の活用や管理に積極的に取り組むNPO法人や社団法人などを「空家等管理活用支援法人」に指定できるようになりました。指定された法人は、所有者からの空き家の活用や管理方法についての相談への対応や、所有者と活用希望者のマッチングなどを行い、空き家の活用を促進します。
管理の確保
市区町村が重点的に空き家の活用を図るエリアを「空家等活用促進区域」に設定できる制度が新設されました。この区域内では、市区町村は空き家の所有者に対して、市区町村が定める指針に沿った空き家の活用を要請できるようになりました。また、建築基準法の規制などがネックになっているケースがみられることから、必要に応じて用途規制や前面道路の幅員規制の合理化ができるようになりました。の推進に関する特別措置法の改正後は、「特定空家等」の増加を防ぐために、国や自治体が「管理不全空家等」を設定することができるようになります。
管理不全空家等とは、放置すれば特定空家等になるおそれがある空家等です。
管理不全空家等として勧告を受けた空き家の所有者・管理者は、行政の指導を受け、管理指針に即した措置を行う必要があります。
特定空家等の除却等
増え続ける放置空き家によるトラブルや被害を縮小するには、特定空家等の除却等についても迅速に進めていく必要があります。
空家等対策の推進に関する特別措置法の改正では、特定空家等の除却等を円滑に進めるための内容も盛り込まれています。
緊急的に除却(解体)などが必要な特定空家に対して、命令等の手続きを経ずに行政による強制撤去等(代執行)をすることが可能となりました。台風など自然災害による危険が迫っているときなどに、迅速な安全確保ができるようになります。
空家等対策特別措置法の改正で固定資産税が6倍に?
空家等対策の推進に関する特別措置法の改正による大きな変更点の一つが、固定資産税の住宅用地特例の解除です。
従来は「特定空家等」のみが対象だった固定資産税の住宅用地特例(1/6等に減額)の解除が、改正法では「管理不全空家等」も対象になることが組み込まれました。
現在は特定空家等に指定されていない空き家であっても、放置すれば特定空家等になるおそれがあると判断されると、管理不全空家等として固定資産税の住宅用地特例が解除されてしまいます。